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“ハンドメイドの匠”に聞く vol.2「贈ると心から喜ばれる水引アート」

初めまして、不器用だけどハンドメイド大好きなホビスタ編集部の加藤(20代・女性)です!
このコーナーでは、独自のハンドメイドを手掛けている“ハンドメイドの匠”である先生方にインタビューし、手づくりへの思いや楽しみ方について紹介していきます!
今回お話を聞いたのは「水引(みずひき)アート」を手掛ける梶政華(かじ せいか)先生です。

そもそも、水引ってどんなものか知っていますか?
水引は、身近なものでいうと、ご祝儀袋についている、赤や白の紐のことです。その歴史は飛鳥時代からとも言われており、日本人の生活の節目を飾り、表現してきた伝統文化の一つでもあります。水引アートは、この紐を使ってお花や動物など、さまざまなモチーフを作るハンドメイドなんです!
う~ん、なんだかとっても難しそうだし、高そうなイメージだな~。
さっそく梶先生の教室を訪問!失礼します、こんにちは!

梶 政華先生

梶先生: こんにちは。

加藤: お花を教室にたくさん飾っているんですね…ん? これってもしかして、全部水引アートですか!?

梶先生: はい、そうですよ。

教室に入ると、たくさんの花や動物たちが迎えてくれる

加藤: お花だけでなく、ニワトリなどの動物、コサージュや髪飾りなどのアクセサリーも!水引アートと聞くと、和風のものだけかと思っていたのですが、そんなことないんですね。

梶先生: 私が水引を始めたのは、かれこれ50年くらい前になります。当時は、和風のものしか見たことがありませんでした。その頃、私はアートフラワー*をやっていたので、お正月のアートフラワーを作るときに、その飾りとしてツルやカメなどを水引で作っていたんです。こうした和風のモチーフは従来からあったものです。
でも、和風のものだけじゃ面白くない。ツルやカメが作れるのだから、応用すれば洋風のいろいろなものができるんじゃないかと考えたのです。それで、お花なども作るようになったのが水引アートの始まりでした。

(*アートフラワー:布などでできた造花。茎の部分にワイヤーが入っているので、生ける際にもさまざまなアレンジが楽しめる。)

加藤: へぇ~。ということは、図案は始めたころから梶先生ご自身で考案されたんですか?

梶先生: 今でもそうですが、頭の中で考えながら作っていきました。イメージと違っていたら、途中でやり直して。これで完成! となってから、図案に起こしています。水引アートという言葉自体、当時はありませんでしたから、このときから洋風のものが広がっていったといってもいいでしょう。

素材となる水引は和紙をよって作られている。色や素材の種類も豊富で、ラメが入ったものもある

加藤: それにしても、こんなに大きな作品がこの細い紐でできているとはとても思えないなぁ。やっぱりすごく難しそう…。梶先生、私とても不器用なんですが、そんな人でも作れますか?

梶先生: もちろんですよ。基本は、ご祝儀袋にも使われている「あわじ結び」。まずはこれをマスターすれば、少しずつ応用して、大きな作品も作れるようになります。
実際に、私の教室に通っている生徒さんも、1時間半から2時間くらいで、このあわじ結びをベースに作ったカメ2個と、ツルを2個作って基礎を身に着けています。結ぶ、編む、巻き上げる、を繰り返すことで仕上がるので、難しくないですよ。

水引アートの基本となるあわじ結びをベースに作ったカメ(左)とツル(右)。1時間半から2時間ほどで習得できる

加藤: これなら私にもできそう! でも、水引っておいくらくらいなんでしょう…どこで販売していますか。

梶先生: 大きい手芸屋さんにもありますが、色や種類が限られていることが多いですね。最近は水引素材を扱っているインターネットショップも増えているので、そちらで入手することもできます。複数の色が50本ほど入って、1000円ほどのものもありますよ。

加藤: 思ったよりリーズナブルで安心しました。先ほど約50年間も水引アートを手掛けてこられたとおっしゃっていましたね。梶先生は、どんなところに水引アートの魅力を感じているのですか。

梶先生: 水引アートの贈り物をすると、本当に喜ばれるんです。お花をもらっていやな気持になる人っていないでしょう?相手の笑顔を見ると、「次は、あれを作ってみようかな」と、どんどんイメージが膨らんでくるんです。

加藤: 確かに、きれいなお花でしかも手づくりの品だったら、喜ばれること間違いないですね!

梶先生: 生徒さんのほとんどは女性ですが、中には男性もいらっしゃるんですよ。ある60代の男性は、「妻に贈るカーネーションを作りたい」とおっしゃったんです。奥様に手渡したら、驚かれると同時にすごく喜ばれたと後日話してくれました。

加藤: 素敵ですね!年配の方が趣味としてなさっているイメージがありますが、私と同年代の方もいますか?

梶先生: 確かに年配の方は多いですが、最近は20代、30代の方も増えてきましたよ。特に若い方にはアクセサリーが人気です。

水引を使ったアクセサリーを身につければ、普段の服装も華やぐ

加藤: 季節を問わず使えるし、コサージュやブローチを普段の服装に取り入れると、ぐっとゴージャスになりますね!手づくりのものならなおさら、気分もアガりそう。和にも洋にも合わせられる水引のアクセサリー、普段の生活に取り入れてみたくなりました。
最後に、梶先生はこれから、水引アートを通じてどんなことをしていきたいですか?

梶先生: 水引アートを教えられる人をもっと育てていきたいですね。そのためには、私が「作ってみたい!」と思ってもらえるような、きれいで、そして新しい作品を作っていくことが必要だと思っています。まだ始めたばかりの人でも作りやすいように、私も試行錯誤していきたいです。

加藤: 私もさっそく水引アートをやってみたくなっちゃった!梶先生、今日はありがとうございました!

梶先生の水引アート教室についてはコチラ
水引アート教室
http://mizuhikiart.jp/school.html

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