特集
あっという間に年末年始。作家活動をしている方、手作り大好きさんの中には、クリスマスはオーナメント作りで忙しかった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それと同時に、この時期に、掃除や片付け、年変わりで心機一転、作業スペースをスッキリさせたいという気持ちになりませんか?
作家活動をしていると、素材をまとめて仕入れたり、色違いで多くの材料を購入したりと、物が多い状態が日常。かく言うライターの私、久場も布バッグや布小物の作家活動をしていて、布や資材は増えていくばかり。制作は整理整頓からスタートとなることも少なくありません。どうも作家さんには、収納、片付けが苦手という方が多い傾向があるようですね。
今回ホビスタでは、収納が課題、というホビー作家さんや手作り大好きさんのために、「とにかく自分で使いやすいように収納している」「私なりの収納方法がある」という作家さん4名に、お話を伺ってきました。ホビスタライフでおなじみの作家さんも登場しますよ!
みなさんそれぞれのこだわり、使いやすさを見ていきましょう。
制作活動とネット販売がメイン 菊池 くぅ さん
■ 制作している作品は?
・編み物 ストールやカバン、アクセサリー
・布小物 ポーチ、バッグ
・レジン アクセサリー
■ 仕入れる素材について、主なものは?
毛糸・レース・布地
■ 素材は、一度にどのくらいの量を頼む?
お試しで少量購入後(毛糸なら1~3玉、レースや布地は50㎝~1m)、気に入ったものを色違いでロット買い
■ 素材の収納の仕方を教えてください
布地・レース
立ててケースに収納し、一目見て在庫が把握できるようにしています。
布
たたみ方を工夫して、大きさを統一。布の厚みに関わらず、同じ状態で保管できるようにします。
レース
なるべく厚紙等の台紙に巻き付けて、色移り防止やひっかけて傷がつかないようしてから保存しています。
その他
ハギレのように小さいものは、ジッパー付き保存袋に素材別に分けて収納しています。原価の計算の時に材料の価格が分かるとよいので、購入額を布地であれば耳の部分、レースの場合は台紙部分に記載するようにしています。
■ 今の収納にたどり着いた経緯
実家暮らしのころは、収納スペースもなく、全く別の方法で収納していました。とりあえずプラケースに詰め込む収納で、素材の在庫が把握できず、重複購入したり、作業は材料探しからスタートするので、作業をする専用の部屋が欲しいと、ずっと思っていたのです。引っ越しを機に、作業部屋の確保がかない、そのタイミングで収納方法を見直して今のスタイルになりました。
■ 収納のコツ、ポイントと思う部分を教えてください
一部屋アトリエとして使っていて、素材は押し入れ一面とアンティークの図書館カード収納棚に集約しています。大物はプラスチックケースに素材別に収納、小物は棚に仕分けて収納し、制作のときに、素材を取り出しやすいようにまとめています。
素材は物により、立てて収納します。そうすることで、自分が今何を持っているかが一目でわかり、使いたい物をすぐに取り出せるからです。特にレースは、そのままだとすぐにぐちゃぐちゃになってしまうため、長さの短いレースでも、台紙に巻き付けて、使いたいときに綺麗な状態ですぐ取り出せるようにしています。
ライターの感想
布を立てて収納は私も何度も試みていたのですが、同じサイズにたたむことができず断念しました。台紙を使ってサイズをそろえるのは、目からうろこです。また、レースも短くても台紙に巻いて使いたいときにきれいな状態でというのも納得。重要なのは最初のひと手間で、ここでがんばることで、物作りがスムーズになる部分が大きいのですね。
お話を聞いた方
菊池 くぅ
活動は休日をメインに、細く長く作家活動を続けています。
作品はネット販売をベースに、年に数回、イベントに出展しています。
Instagram:https://www.instagram.com/mignon_qoo/
<出展情報>
青空個展てづくり市
奥渋谷 杜のてづくり市
https://www.aozorakoten.com/
自宅教室運営とイベント出展 佐藤 直子さん
■ 制作している作品は?
・カリグラフィー カード、額など
・アクセサリー シルバークレイ、石もの
■ 仕入れる素材について、主なものは?
カリグラフィーのインクとペン先、ペン軸・アクセサリーのシルバーやパーツ
■ 素材は、一度にどのくらいの量を頼む?
ネット販売を活用し、100個単位で仕入れることが多いです。細かい物が多いので、管理には気を配っています。
■ 素材の収納の仕方を教えてください
ペン先
種類別に、クリアケースに入れています。自分の制作と、教室では生徒さんに出すこともあるものです。
筆類・ペン軸
すぐに取り出せるように、立ててしまっています。
小さめのパーツや道具
クリアケースに、パーツごとに分けて入れ、ボックスの外から見ても、何がどのくらい入っているかわかるようにしています。
■ 今の収納にたどり着いた経緯
自宅内で制作、教室を展開していますが、活動は少しずつ広げていきました。気が付けば、道具や素材は複数の部屋の、入れられるところに収納。
そのうち物のありかがわからなくなり、探し物で制作が止まることもあったため、「ひとまとめに」「ここにこれだけある」と把握できる場所が必要と思い、半日かけて、今の状態を作りました。
■ 収納のコツ、ポイントと思う部分を教えてください
まずは、物がひとつの所にあることです。制作のときに、探しに行く、取りに行くという時間がなくなるだけで、工数も変わってきます。
それから、教室で生徒さんも使う物、私の場合だとペン先やペン軸は、生徒さんに「ここから取ってね、選んで使ってね」と出せる状態にしていることです。教室は、複数の生徒さんが見えて、制作しているときに、いろいろなリクエストが出ます。そこで教室全体の流れが止まってしまうことがないように、物によっては生徒さんに自分で選んでもらっています。
ライターの感想
自宅教室があるので、自分だけが材料のありかがわかればよいという収納ではないところがさすが!と思いました。そこから取ってねと、生徒さんに声をかけた時にすぐにわかるラベリングなどの工夫は、教室をしてなくても作品作りの効率アップにつながるので見習いたいです。
お話を聞いた方
Atelier Miriam 佐藤 直子
カリグラフィー講師。近年は、アクセサリー作家としても活動している。
カリグラフィーやアクセサリー作りは、自宅教室やイベント出展、委託販売で展開。
https://ateliermiriam.jimdofree.com/
次のページでは、Atelierすーじーさん、ノワ(noix)さんに収納のコツをお聞きします。
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