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「手芸部ってどんなところ!?」は、日ごろ見ることのできない学校のハンドメイドサークルや手芸部の活動、部員のみなさんのハンドメイドにかける想いなどを紹介する企画です。vol.4では、東京大学ハンドメイドサークル「あっとはんど」さんにうかがいました。部員数は9名(2019年12月末時点)。どんな活動をしているのかリポートします!
――こんにちは、ホビスタ編集部の加藤です!今日は、東京大学のハンドメイドサークル「あっとはんど」さんの活動をご紹介すべく、東京大学駒場キャンパスへやってきました!
そもそも、大学でハンドメイドサークルや手芸部の活動をしているところは、それほど多くないようです。そんな中、東京大学のハンドメイドサークルがどんな活動をしているのかとても気になりますよね!今日は、東大生向けにレジンのワークショップを開催中とのことで、その現場でお話を聞いてみました。
あっとはんどの活動についてお話ししてくれるのは、2年生の深見けいとさん。まずは、概要についてうかがいました。
<あっとはんど>(内容はすべて2019年12月末時点)
・部員数:9名。メンバー全員が東大生。
・男女比:3:7
・活動頻度:月2回ほど。多くの部員が集まりやすい土・日曜日がメイン。
――サークルでは、どのような作品を作っているのですか。
深見さん: 当サークルは、メンバーそれぞれが作りたいものを作って活動しています。全員で一つの作品に取り組む、ということはしていませんが、大学では毎年5月には5月祭、11月には駒場祭というお祭りがありますので、その際にはバザーとして作った物を出品したり、ワークショップを実施したりしています。
――あっとはんどの「ここがスゴイ!」というところを教えてください。
深見さん: かなり幅広い分野のハンドメイドを網羅している点が特徴だと思います。部員は9名と少人数ですが、個々人が取り組んでいるハンドメイドが多種多様なので、ハンドメイドに慣れていないという方でも、「やってみたい」と感じるものが一つは見つかるのではないかと思います。具体的には、こんな感じです。
<あっとはんどのメンバーが取り組んでいるジャンル>
1.ビーズ
2.ビーズ刺繍
3.編み物
4.編みぐるみ
5.羊毛フェルトのマスコット
6.レース編み
7.洋裁
8.布小物
9.刺繍
10.糸つむぎ
11.レジン
12.レザークラフト
13.レーザー加工
14.トンボ玉
――レザークラフトなど、自分で始めるとなるとハードルが高く感じてしまうものまで取り組んでいる方がいるんですね!個人ではなくサークルとして活動することの良さは、どのようなところにあると思いますか。
深見さん: 自分がやったことのないジャンルのハンドメイドを始めやすいことです。自分が没頭できるほど好きなものに出会えることは、とても貴重だと思います。
もともと母が編み物が好きなこともあり、羊毛フェルトや刺繍などはやったことがありましたが、あっとはんどに入ってからは自分がビーズにすごく向いていることが分かり、今ではビーズに夢中です。先輩方がビーズをやっているのを見て、自分でもどうしても作りたいという気持ちがわき、本を買ってやり始めたのですが、身近にそのジャンルをやっている人がいることは、新たなジャンルに挑戦するとても大きな後押しになると思います。
実際に、このマスコット一つ作るのに、テグスを3mも使うと聞いたときは「自分にもできるかな」とかなり不安になりましたが、ハンドメイドのことを気軽に相談できる仲間がいることで、取り組んでみようという気になりました。
また、最近は部員向けのワークショップも始めました。他のメンバーがやっているハンドメイドを見て、「やってみたい」という声が多数あったものなどは、サークル活動の一環として、メンバーが作り方を教える会を開いています。ビーズを「まり」のような形状にするビーズボール作りのワークショップは私が担当したのですが、ワークショップをきっかけにはまったメンバーもいます。
――深見さんがこのサークルに入ったきっかけはどのようなことだったのですか。
深見さん: 入学当初は運動部に所属していたのですが、ケガをして退部しなければならなくなったとき、ハンドメイドサークルがあることを知りました。手芸は好きでしたが、学業と部活でしばらく手付かずになっていたこともあり、再開してみようと思ったのです。東大は女子学生が全体の2割しかいなこともあり、女子のサークル仲間を作ることも結構難しいんです。あっとはんどは、女子の割合も高いので、その点もいいなと思いました。
東大入学に向けてもそうですが、3年生から自分の希望の専攻に入るために、かなり勉強して点数を取らなければならず、競うことにつかれてしまう学生も多いようです。また、
東大には、文科系サークルでも「プロジェクト」としてかなり本気で取り組んでいるサークルも多く、途中から入部することが難しいケースもあります。そうした中で、いつ行っても自分のペースで好きなことができて、途中から参加することもできるのは、あっとはんどならではだと思います。たまにふらっと行ける場所があることは、とても安心感があります。サークル活動というより、同じ空間でハンドメイドをする「制作会」というほうがしっくりくるかもしれません。
――あっとはんどの雰囲気はどんな感じなのですか。
深見さん: 私が初めて来たときも、初対面にも関わらず、先輩方がとてもやさしく、すんなり打ち解けられました。少人数のサークルだからこそ、身構えずに溶け込みやすい雰囲気があるのも、このサークルならではです。活動中は世間話をしたり、お互いの作品について相談したりしています。分からないことは教えてもらえるので、スキルアップにもなりますよ。
――確かに、今日のワークショップも初対面の参加者の方同士ですが、レジンのアクセサリー作りを通じて会話が弾んでいますね。
深見さん: 今日のワークショップには、5名の方が申し込みをしてくれました。レジンが得意な先輩が講師となり、作り方を手取り足取り教えながら作ります。参加費は100円で、30分程度で完成するので、初めてという方でも取り組みやすくしています。
――最後に、サークルへの入部を検討している方に向けてメッセージをどうぞ。
深見さん: 他のサークルや部活と違って、あっとはんどはどの時期に入っても始めやすく、活動日もメンバーが参加できる日に調整するので、既に他のサークルに所属しているという方も掛け持ちしやすいです。実際に、メンバーの多くが、他サークルと掛け持ちしています。「やってみようかな」と思ったことはあっても、実際に始めるのはためらっているという方は、ぜひ一度体験に来てみていただきたいです。
活動日などは、Twitter(リンク:https://twitter.com/todai_athand)やブログ(リンク:http://at-hand.jugem.jp/?pid=1)で発信していますので、そちらもご覧ください。加入はできなくても、5月祭や駒場祭のバザーで手作り作品を販売したい、という方も大歓迎です。入会費や年会費は無料なので、もしもやってみたい手芸があったら、ご自身でやったことがなくても、やり方など教えてもらえるので、是非お気軽にお越しください。
(取材を終えて)
肩肘張らずに、仲間とのんびりハンドメイドができる「あっとはんど」さん。この日のレジン体験会参加者で、サークルへの加入を決めた3年生のMさんは「もともと編み物が好きで、誰かと一緒に作れる場を求めていました。レジンは今日初めてでしたが、思っていたよりも短時間で、しかもきれいに仕上がりました」と新たな発見につながったようです。こうした体験の場を増やすことで「難しそう」といったハードルを下げ、ハンドメイドへの間口が広がっていることが感じられました。
お話をうかがった方
東京大学ハンドメイドサークル「あっとはんど」
東京大学2年生 深見けいとさん
Twitter(リンク:https://twitter.com/todai_athand)
ブログ(リンク:http://at-hand.jugem.jp/?pid=1)
カテゴリー: 物作り
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