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日本ホビーショーは、国内外からファッション、アクセサリー、ペーパー、フラワーなど、あらゆるジャンルの手芸、ハンドクラフト等の企業、クリエイター、講師が一同に会する世界最大級のハンドメイドの祭典です。

現在は、2020年開催の 出展者を募集中 です。すでにたくさんの出展申し込みが入ってきていますが、なかには「出展検討中」「迷っている」という方もいらっしゃることでしょう。

今回は、出展検討中の方々に向けて、出展のメリットや出展を決めた理由を、2019年に初出展された株式会社そらーるさんにお聞きしました。

そらーるさんは、ドライフラワーやプリザーブドフラワーのほか、ハーバリウム、クリアリウム関連商品などを扱う花材卸販売店です。初出展にいたった経緯と、実際に出展してみての率直な感想を、店舗責任者の縣（あがた）ちよえさんに伺いました。

出展の決め手は「前年度来場者データ」

－－日本ホビーショーを知ったきっかけについて、教えてください。

縣さん： 弊社は卸売販売を営んでおり、これまでもビジネス向けの展示会には参加していました。去年夏に、東京都国立市に実店舗をオープンさせていただいたことがきっかけで、弊社について、そしてお店のことを広く知っていただきたいという思いから、一般のお客様が来場される展示会を探し、日本ホビーショーを見つけました。

－－実際に出展にいたった経緯とは？

縣さん： 来店された方に日本ホビーショーのことをうかがってみると、ご存じの方が本当に多かったです。お客様から「いいイベントだよ」「いつも商品をたくさん買ってくるんだ」というお声を多くいただき、“知名度が高いイベントだ”と感じました。

－－お客様の声が後押しになったのですね。

縣さん： さらに、公式ウェブサイトで『2018日本ホビーショーデータ』をチェックして、来場者数の項目に性別、年齢層や地域などが記載されているのを目にしたのです。女性が95％以上で、40～50代が多いことなどが詳細に載っていたことが、とても参考になりました。

このデータが弊社のニーズにマッチしていることが決め手となり、“これは絶対いい、出たい”と思い、出展を決めました。実際に参加させていただくと、年齢層はデータの通りでしたし、購買意欲のある方が多く、期待を裏切らない情報だと思いました。

いざ出展してみると……とにかく忙しい！　商品が足りず嬉しい悲鳴

－－出展の準備はいかがでしたか？

縣さん： 2018年の日本ホビーショーが開催されたゴールデンウィークの時期は、母の日が近いということもあり、弊社のハイシーズン（繁忙期）でした。例年、その時期のイベント出展は避けていたのですが、弊社にとってプラスになるはずだと思い、少し無理をしてでも出展しようと覚悟を決めました。前日までに大慌てで準備をする大変さはありましたが、出展してよかったと思える、私たち出展側も楽しめるイベントでしたね。

－－実際に出展してみての感想を教えてください。

縣さん： 思っていた以上に盛況でした。商品を購入してくださる方にたくさんお立ち寄りいただき、とてもありがたかったです。

初めての出展でしたので「こんなに用意していいのか」「持ち帰ることになるかも」と心配していたのですが、そんな心配は無用でした。販売用に準備した商品は、初日であっという間に完売し、商品とチラシを取りに店舗に戻って追加で準備を行い、翌日搬入をすることに。本当にバタバタでしたが、嬉しい悲鳴でした。

また、近くの出展企業様と話す機会もあり、ビジネスのつながりもできました。

貴重な情報源「一般ユーザーの生の声」をつかめた

－－お客様の反応はいかがでしたか？

縣さん： 弊社は卸売りもやっているので、それを知っていただけるように、日本ホビーショーのお客様向けだと思う商品をピックアップし、キットなども組んで販売いたしました。そこが、お客様にはとても喜んでいただけたようです。「全部ちょうだい」とまとめて購入されたり、刺繍枠を100個以上購入くださった方もいました。「後で連絡するから仕入れさせて」というご依頼もいただき、新たな業者さんとのつながりもできました。

－－ビジネスチャンスも広がったのですね。ブースで印象深かったやりとりはありますか。

縣さん： ハーバリウム用のカラーオイルなど、弊社のオリジナル商品も販売していたのですが、他にはないものなのでお客様には「珍しい」「面白いわね」と好評でした。

また、「こんなものがほしい」とか「こういうものはないの？」といった生の声を直接耳にすることができるのは勉強になりましたし、人気色の傾向をつかむ参考にもなりました。カラーオイルは、それまでの傾向からピンクや淡い色合いのニーズが大きいと予測していましたが、会場では、意外にもブラックの反応がよかったのです。そのときの新色だったということもありますが、「渋い色は受け入れられるだろうか」という不安をよそに、会場では「かっこいい」と購入してくださるお客様が多く、淡い色より、渋めの色に需要があるのだという発見がありました。

－－愛好家にとって、オリジナル商品は喜ばれそうです。

縣さん： いつもは他の手芸をされていて、試しにハーバリウムをやってみたいという方が多数いらっしゃったのも印象的でした。日本ホビーショーでは、ワークショップも多く開かれていますし、普段やっているジャンルと違うものにトライできるのは、大きな魅力ですね。

新たな顧客層の拡大へ

－－期待を裏切らない成果が得られたということでしょうか？
縣さん： 「一般ユーザーの方に知っていただきたい」という期待通りの成果でした。弊社の店舗へのお客様は、30～40代ぐらいの女性が多いのですが、日本ホビーショーの来場者層はそれより10歳ぐらい上の世代が多い印象で、まさにデータ通りでしたね。日ごろのお客様と異なる世代のたくさんの方との接点ができ、それ以降もリピーターとなって店舗に足を運んでくださったり、ネットショップを利用してくださるお客様ができたのは収穫でした。

－－顧客層が広がったのですね。

縣さん： ご年配の方でインターネットを利用していない方や、実店舗で商品を見て直接購入したいというお客様も多いので、インターネット販売をメインにしていた弊社にとって、周知されていない層のお客様への輪が広がりました。

これまで弊社をご存じでなかった方に、「こんなお店もあったのね」と知っていただけたのは最大の収穫だったと思います。「意外に近いわ」「今度行くわね」と言っていただき、店舗に実際に足を運んでくださるお客様が増えて、本当にありがたいと思っています。

－－出展を検討している出展者、クリエイターさんに伝えたいことはありますか。

縣さん： いいお店でも存在を知っていただかないことには、そこからの展開は期待できません。迷っているのであれば一度出展されることをお勧めいたします。日本ホビーショーはビジネス向けの展示会とは客層も異なりますし、直接販売ができるというメリットもありますので、新たな出会いが生まれるのではないでしょうか。

－－たとえばどんな方に向いていると思いますか？

縣さん： 生地屋さんや糸屋さん、リボン屋さんなど、資材を扱うお店の方は、出展を検討されるとよいのでは、と思います。弊社はフラワーに携わっていて、リボンを使うことが多いので、出展の合間に会場内を可能な限りまわりましたが、リボンをはじめとした資材は、まだまだ大きな企業様の出展が多い印象でした。資材類は、個人店で個性的なものを扱っていることが多いジャンルです。ハンドメイド好きの方は、個性的な商品も見たい、というニーズがあると思うので、このイベントはマッチするのではないでしょうか。

また、愛好家の方の生の声を多く聞けるので、リサーチの場にもなると思います。新たなつながりができたり、どういうものに需要があるのか大変勉強になりましたので、弊社は来年も出展を予定しています。

取材を終えて

毎回14万人を超える愛好家が来場する日本ホビーショーには、ホビークラフト各ジャンルの企業、クリエイター、講師が集結します。一般来場者へのプロモーションは新たな顧客獲得につながるほか、ビジネスマッチングにも効果絶大。来場者からのダイレクトな反応を得られるマーケティングリサーチの場にもなります。次回は2020年4月28～30日に開催予定。10月8日より出展者募集が開始されています。新たな可能性を求める企業やクリエイターの皆さまは、検討されてみてはいかがでしょうか。