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ハンドメイドのことならお任せ!あなたの街の専門店 vol.4
「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

東京・西荻窪駅すぐの「西荻マイロード商店街」で、商店街ができた1972年から続く手芸店が「きむらや」さんです。取材した日も、ひっきりなしにお客様が来店。赤ちゃんを抱っこした若いお母さんや、スーツを着た男性、ご高齢の女性など、老若男女問わず、地域のお客様の手芸ライフを支えています。お店を切り盛りしている髙橋さんにお話をうかがいました。

――このお店ができる10年前に、西荻窪の別の場所で創業し、JR中央線沿線の吉祥寺や三鷹エリアにも店舗を展開。一時は5店舗を展開していた時期もありましたが、現在残っているのはこの高架下のお店のみ。なくなってしまったお店を利用していたお客様がここを訪れることもあるそうです。お客様について、高橋さんはこのように話します。

髙橋さん: 隣駅の吉祥寺は、お店の入れ替わりも早く、どんどん変化していく街です。それとは対照的に、西荻窪は老舗のお店が根強く残っている街だと感じています。この商店街も、ソーセージ屋さんや向かいの靴屋さんなど、商店街オープン当時から続いています。当店を含め、一度気に入ったら長きに渡って利用してくださる、古くからのお客様が多いようです。

――お客様に「また利用しよう」と思ってもらえるために、どのようなことを実践しているのでしょうか。

髙橋さん: できる限り、「自然体」で接客するようにしています。当店を利用されるお客様は、安さが理由で買いに来ている方ではありません。だからこそ、いかにも作ったような接客ではなく、親しみを感じていただけるような店づくりを心掛けています。

初めて来店したお客様が、その後も繰り返し来てくださると、「いいと思ってくれたんだな」と実感しますね。作り込み過ぎないということに加えて、「お客様に不快な思いをさせない」ということも徹底しています。「毎度どうも(ありがとうございます)」と言えるお客様をたくさん持てる店になりたいです。

――店内を見渡すと、ところどころに、見本品が置いてありますね。店づくりの一環でしょうか。

髙橋さん: 当店は、私と私の母と妻、弟の家族4人と、女性スタッフで運営しています。見本を作っているのは妻と女性スタッフで、材料を置いているだけでは商品の魅力や使い方が伝わりづらい物は、用意しています。

「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

リボンコーナーに設置してある見本

見本以外にも、妻が作った手作り小物や、母が作った毛糸の帽子と靴下も販売しています。
「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

奥さまが作ったブローチなどの手芸小物

――こうしたひと工夫が、他のお店にはない便利さや居心地の良さを感じさせているのかもしれませんね。そのほかにも、気を付けていることはありますか。

髙橋さん: 高齢のお客様は、午前中にご来店されることが多いので、年齢の近い母には接客を兼ねた話し相手として店に立ってもらっています。

手芸に詳しいお客様も多く来店するので、接客する側も専門知識を持っていなければなりません。私はそれほど手芸に詳しいわけではないのですが、その点は女性スタッフがしっかり対応してくれているので、彼女たちは非常に貴重な存在です。

お客様方に手芸を続けて元気でいてもらえるように、この店を守っていくことが私の役割だと感じています。

――このお店ならではの、創業当時から使っている物はありますか。

髙橋さん: この木槌です。

「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

創業当時から使い続けている木槌

「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

口の部分がかなり削れてる

――かなり年季が入っていますね。口の部分がかなりデコボコしていますが、何に使っているのですか。

髙橋さん: クルミボタンを作るときに使います。かつて、自分で生地を購入して服を作るのが主流だった時代には、生地に合ったボタンを付けたいというニーズも高く、クルミボタンの依頼も多かったです。多い時では、1日に5件ほど注文がありました。今では少なくなりましたが、ときどき注文が入りますよ。

「自然体」の接客で老若男女呼び込む 西荻窪「きむらや」

クルミボタンの見本。まさにこのお話の最中に、クルミボタンの注文が入った

西荻マイロード商店街の手芸店「きむらや」髙橋さんへのインタビューは、次のページに続きます。

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