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今年の流行語大賞「インスタ映え」。ホビーの世界でも、インスタをはじめとしたSNSを通して、大きな変動が起きています。ユーザーさんが作った作品をInstagram などのSNSで公開し、SNS上で拡散されて流行につながった商品もありました。
販売までしなくても、SNSに作品画像を載せて、みんなに「いいね」をもらうことで、次の作品作りのモチベーションに繋がることってありますよね! SNSで写真を見た人も「こんな作品がほしい!」「作りたい!」と思い、ニーズやホビーの輪が広がっていく効果もあります。
では、ホビーユーザーは、どのくらいの頻度でSNSを使っているのでしょうか。
【ホビーに関するSNSの利用頻度】
キレイにばらけました。属性により以下のような多少の傾向はあるものの、それほどの大きな偏りはみられません。
男女とも、15~19歳の世代が、ホビーに関して「ほとんど毎日」SNSを利用する人が多め(男性38.5%、女性35.0%)です。それ以外の用事でも、若い世代はスマートフォンなどでSNSを開く機会が多そうですから、ホビーに関しても同時に情報収集してしまうのかもしれません。
各種コレクションのホビーユーザーは、ほぼ人が38.1%と最も多く分布しています。コレクションしたいものがどこにあるか、どんなコレクションが希少か、いくらぐらいするかなどの情報収集には、同じ興味をもつ人が集まるSNSはとても便利なのでしょう。希少なものがあると嬉しい帆船・鉄道などの模型モデルづくりでも、インターネットやSNSから得られる情報は多そうです。
逆に、家庭菜園・ガーデニングのユーザーは、「月に1回以下」が約3割と多くみられました。植物の生長は1日で大きく変わることはないため、日ごとに情報収集をする必要がなく、「花が咲いた」「植え替えた」「実が成った」などのイベント時にちょっと見るだけ、という方が多いのかもしれません。
ホビーユーザーに関して言えば、SNS利用はマイペース派が主流のようです。
SNSでの情報交流に伴って、オリジナリティのある商品が求められるようになってきたことから、「minne」「creema」に代表される手作りの1点もの販売マーケットも隆盛してきました。
しかし、読者のホビーユーザーにとっては意外かもしれませんが、ホビー白書が一般の方も含む1万人に行った調査では、92.7%が「ハンドメイドマーケットサイトを利用したことはない」と答えています(『ホビー白書2017』p48より)。閲覧した人が5.9%、購入した人が2.6%、出品・販売した人は0.7%と、全体から見るとごく少数に過ぎません。テレビCMなども放送されていますが、一般の人にとって、まだまだハンドメイドマーケットの認知度は高いとはいえないようです。
ただ、実際にハンドメイドマーケット最大手の「minne」は、過去2年間で2倍近くの売上伸張をしています(GMOペパポ(株)『2017年12月期第3四半期決算説明会資料より』)。これからますますの発展が期待されますね。
日本のハンドメイドマーケットサイトでは、ホビスタの皆さんならよくご存じの「minne」「Creema」「tetote」「iichi」が有名。Creemaには子ども用品が多かったり、iichiは「工芸品」に近いような高品質のものを中心に扱うなど、それぞれのサイトで特徴がみられます。
【ハンドメイドマーケットサイト比較表】
日本のハンドメイドマーケットサイトの盛り上がりに着目してか、以下のような新規参入事業者も増加しています。
◯ ココナラハンドメイド(https://handmade.coconala.com/)
オンラインで知識やスキルの売買を行うサイト「ココナラ」から2017年に派生。
◯ pinkoi(https://jp.pinkoi.com/)
台湾発のハンドメイドマーケットサイト。日本国内だけでなく、アジアを中心とした88の国と地域のクリエイターの作品を購入したり、各国に向けて販売したりすることができる。
◯ Etsy(https://www.etsy.com/jp/)
2005 年にアメリカでサービスを開始した、ハンドメイドマーケットサイトの先駆的存在。2016 年から日本でもサービスを開始している。
◯ メルカリ(https://www.mercari.com/jp/)
独立ハンドメイドマーケットサイトではないが、個人間で商品売買するサイトに「ハンドメイド」というカテゴリーがあり、手作り作品が売買されている。
ホビーユーザーには、ハンドメイドマーケットサイトで情報収集する人も少なくありません。新しいマーケットサイトも、ちょっとのぞいて情報収集してみたくなりますね。
いかがでしたでしょうか。ホビーやハンドメイドに関する調査データがあること自体、知らなかった方も多いのでは? 一見難しそうでも、眺めていると「なるほど!」と思えるような情報が表れていて、今までぼんやりと感じていただけの「傾向」がはっきりとつかめます。ます。作品販売を考えている方は、データを眺めていると、意外な販売ターゲットがみつかるかもしれませんね!
※一般書店では販売取扱がありません。購入ご希望の方は、(一社)日本ホビー協会Webサイトのお問い合わせページよりご連絡ください。
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