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“ハンドメイドの匠”に聞く vol.3
熟練職人が追求する ミニチュアドールハウスの「リアルな世界」

こんにちは、不器用だけどハンドメイド大好きなホビスタ編集部の加藤(20代・女性)です!このコーナーでは、独自の手作りの世界を切り開いた“ハンドメイドの匠”である先生方にインタビューし、手づくりへの思いや楽しみ方について紹介していきます!今回お話を聞いたのは「ミニチュアドールハウス」を手掛ける河合行雄先生です。

加藤: ミニチュアドールハウスと聞くと、子ども向けのおもちゃのようなハンドメイドを想像してしまいますが、どのようなものなのでしょうか。河合先生の工房があるというので、さっそく行ってみましょう!

場所は、都電荒川線が通り、下町情緒あふれる東京都荒川区。住宅街の細い路地に…ありました!

住宅街にたたずむ工房

店内には、ミニチュアドールハウスがズラリと並びます。レストランの厨房や

今まさに調理が行われているかのよう

外国風の住居、

イスの使い古した質感が伝わってくる

中華料理店もあります。

店内のにおいまで感じられそう

厨房などは質感がリアルで、食品や食器類のパーツは小指の先ほど小さいものも多いですね。イメージしていた子ども向けのおもちゃとは違って、かなり本格的!おもちゃというよりは、大人でもじっくりと鑑賞して楽しむことができるハンドメイドという印象です。
河合先生、それにしてもこんなに小さいパーツをどうやって作っているんですか。

ミニチュアドールハウスをつくり始めて15年だという河合先生

河合先生: 従来のミニチュアドールハウスというと、ステンレスや鉄などの素材を表現するにも木材や粘土に塗装して作っていました。しかし、私の工房では、ステンレス素材のものはステンレスを使って作っています。金属を使っているので表現の幅が広がり、より忠実に再現できるのです。

エスプレッソマシーンは、フィルターバスケットの付け外しもできる

加藤: そうなんですね!でも、ステンレスって、鉄の何倍も硬いですよね。しかも、これだけ小さいものを作るとなると、かなりの技術が必要ではないでしょうか…。

河合先生: 私はもともと、金属加工業を営んできました。その技術があったからこそできることです。

ステンレスなどの金属を加工する際には、機械以外にこれらの道具を使って手作業している。手前の二つは、先端をかぎ型に加工して使っている

加藤: 熟練の職人技があってこそできるハンドメイドなんですね!それにしても、本業とは別に、これだけ難しいミニチュアドールハウスを始めようと思ったきっかけは、どのようなことだったのですか。

河合先生: 妻が以前からミニチュアドールハウスを趣味にしており、あるとき、「ミニチュアのステンレス鍋を作ってほしい」と依頼があったんです。最初に作ったステンレス鍋が、妻のミニチュアドールハウスの友人から好評を得て、それ以来さまざまなものを15年間作り続けてきました。いまでは本業よりもこの仕事の方が多くなっています。

河合行雄先生(左)と奥さまの朝子さん(右)。朝子さんがステンレス鍋を注文したのがきっかけとなり、ミニチュアドールハウス制作がスタートした

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