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――シーグラス以外にも、貝殻やアルミ缶でできたものもあります。これらもすべてシーボーンアートなのですか。
本間さん: 参加者には、アートの材料になりそうな物を入れる袋と、ゴミ袋の2つを持ってもらいます。医療廃棄物などは別ですが、拾った物を「ゴミ」とするか「材料」とするかは、その方の感性に委ねています。材料が何であろうと、海岸漂着物で作ったものはすべてシーボーンアートと捉えています。
こちらは、拾った海藻で作ったものです。いろいろな材料を組み合わせて、アイデア次第で、さまざまなものが作れます。
――作り方やレシピなどはあるのでしょうか。
本間さん : シーグラスを使ったランプなどは、簡単な作り方を用意しています。「アート」なので、「教えるものではないのでは」と思ったこともありましたが、教えてほしいという方が多かったのと、レシピにすることで多くの方が作れるようになり、ひいてはこの活動を広めていくことにもつながると考えています。作り方は同じでも、素材の色や形が一つ一つ異なるので、オリジナルの作品が作れます。
シーグラスについては、ランプ以外にも発展できないかと思い、ハンダ付けの技術を取り入れて、ステンドグラスのような作品も作れるようになりました。拾ったガラスや貝殻などを組み合わせる作業は、パズルをしているようで楽しいですよ。作品の幅も広がりました。
教室は全国に12箇所ほどあります。講師を務めるのは、協会のカリキュラムを終了したシーボーン アート デザイン インストラクター(SADI)と称して、全国に約120名います。彼らは海の環境についての知識をしっかりと身に着けている方たちです。SADIの養成講習も随時開催しています。
――インストラクターを育成することで、全国的な活動として広がっているんですね。
最後に、今後目指していきたいことを教えてください。
本間さん: この活動を始めたきっかけは、学生時代にダイビングしていた海へ、20年後に子どもを連れて行ったら、以前はたくさんあったサンゴやアワビが少なくなっており、代わりにビンやプラスティックなどのゴミが増えたことにショックを受けたからでした。
海にゴミを捨てるのは、地元の人ではないはずです。観光客や、他の国で捨てられたものが日本の海岸に漂着していることもあるでしょう。でも、子どもたちは本当は汚れているのに、普段ほとんど見ることがない海を見て「きれいだ」と思ってしまいます。楽しみながらゴミ拾いをすることで、海にゴミを捨てない仲間になってくれます。ゴミを捨てる人よりも、捨てない人の方が多い社会になったらいいなと思っています。
NPO日本渚の美術協会
会長 本間 清さん
〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町2-6 淡路ビル5階
本部シーボーンアート教室及び全国の教室情報はホームページでご確認ください。
http://www.npo-nagisa.com/
<夏休み中のイベント情報!>
「夏色マリンリース作り」ワークショップ
海のムードたっぷりな世界で一つだけの
リースを作りましょう。
■ 日時:2018年8月12日(日)
11:00~/13:00~/14:00 ~/15:00~/16:00 ~
■ 場所:たまプラーザテラス(田園都市線たまプラーザ駅下車)ゲートプラザ1F ポケットコート
■ 定員: 各回先着20名様
■ 参加費:300 円
ウェブサイトもご覧ください。
http://www.tamaplaza-terrace.com/event/
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