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愛らしい動物たちが人間のように表情豊かに暮らしている世界。そんな作品を数多く展示されていたのが、フェルト&クレイ作家、絵本作家のはっとりみどりさんです。動物は羊毛フェルトでできていて、そのふわふわとした質感が、さらに小さな世界の雰囲気を温かくします。小さい頃のおもちゃを思い出しほっこりとした気分になるのか、多くの方が見入っていました。
はっとりさんは「私はもともとぞうきんも縫えないほど不器用なんです」と語ります。「造形作家としては活動していましたが、手芸は……初心者の頃は、皆さんと同じように教室に通いました。そこで、フェルトアートの中山みどり先生と出会い、羊毛フェルトの作品を作り始めました」。
はっとりみどりさんは、クラフト・アートを通じた障害児造型教育にもかかわり、「これからも障害をもつ子どもたちの表現を手伝い、その周りの人々との心の交流を促す活動をしていきたい」とのこと。
2017年11月7日に発行されたばかりの新刊『さがそ! きせつの ぎょうじ 12かげつ』(学研教育みらい)にも、そのお母さんたちが背景の創作などに関わってくださっているそうです。
逆さまカップ&ソーサーのペンダントライトをメインに展示していたのは、ODD MASSIMOのブースです。ODD MASSIMOは、建築家のお兄さんと化学材料の研究者である弟さんの兄弟を中心に活動しています。ハンドメイドの世界ではちょっと異色の特技をお持ちですね。
カップ&ソーサーは、地元新潟の『村山大介陶芸研究所』さんに納めていただいているそうです。手作り感があるのに、規格が揃っているので、複数並べて使いやすいという好評価をいただいているとのこと。
「陶芸はサイエンス。大量生産できない、質の高い「陶芸作品」を、化学者としての素養を活かして新素材を開発し、建築家のデザインの視点で適切に商品化することで、全く新しいモノづくりをしていきたいと思っています」と語ってくれました。
1歳前後の赤ちゃんが、歯が生えてくるときにむずがゆいのでアムアムとかじる「歯固め」。赤ちゃんが口に入れるものだから安全なものを選びたい!というお母さんは少なくないのではないでしょうか。
安全性を重視した歯固めを販売するnicö主宰のYUMIさん(2枚目写真左)も、きっかけは自分のお子さんのおしゃぶりからだったそう。「友人が赤ちゃんの体に優しい素材でおしゃぶりを作っていたのを見て、自分でも素材を輸入して作りました。でも、最小ロットでも数が多くて……そこで、母親学級で知り合った友人と『他にも欲しい人がきっといる。事業にしよう!』と、今年6月にnicöを立ち上げました」
木製のものは輸入天然ブナを使用し、米国食品医薬品局(FDA)の基準をクリア、さらに日本厚生労働省の輸入品自主検査を受け、合格したものを輸入しています。また、シリコン製のものはBPAやフタル酸エステルなど人体に悪影響が懸念される物質を使っていません。食品と同じくらい安全であるようにこだわっているとのことです。
現在、オリジナルデザイン&ロゴ入りの製品を制作中だそうで、「今後はオリジナルの作品をもって展開していきたいです。子どもとnicöブランド、両立して育てていきたいですね」と意気込みを語ってくださいました。
目の粗い土台の布に、ウールや綿の糸をかぎ針で引き抜き、絵を描くように埋めて作る「絨毯アクセサリー」。絨毯のように厚みのあるふっくらした手触りと、あたたかみのある表情が、これからの季節にぴったりなアクセサリーです。また、軽いので、洋服につけても下を向いてしまうことがありません。
今回のメイカーズでは、秋冬に向けてウールの糸で、秋冬服を彩る配色のアクセサリーが展示されていました。夏の展示会では、綿の素材で作ったアクセサリーを販売するそうです。
この作品の「質感」はなかなか写真では伝えきれず、メイカーズのような対面イベントで手に取っていただくことで、価値をお伝えしやすくなるようです。
これからの展開については、「出展すると、『ワークショップはいつありますか』『キット販売はしていますか』などの問い合わせがきます。そのような声が高まってくればチャレンジしてみたいと思っています」とお話しくださいました。
帆布バッグや可愛らしいデザインの布小物を製作・販売しているchataさん。制作時は自分が使ったときに使いやすく考えられているほか、デザインの切り取り方にもこだわりが感じられました。大きさや組み合わせなどを考えるのにも時間がかかりそうです。
「ひとりで作っていると、自分だけの趣味に走りがち。このようなイベントは、お客さまの使用感を伺う貴重な機会。対面販売で『ここがよかった』『こんなふうに使っています』『ここに○○がついていたらいいのに』といった意見を吸い上げて、次の製作に活かします」。
いかがだったでしょうか?
取材からも、多くの出展者が、Handmade MAKERS’が目指す「作品からブランドへ」「趣味をビジネスへ」「プロフェッショナルの創出」という視点と意欲をもっていることが感じられました。
次のHandmade MAKERS’は、2019年春、東京ビッグサイトでの開催を予定しています。また会場でお目にかかりましょう!
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