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毎年14万人以上が来場するハンドメイドの祭典「日本ホビーショー」が、今年も2017年4月27~29日の3日間にわたって開催されました。
今年のテーマは「Discover Handmade~上質~」。作品や、人々の暮らしをより上質にするハンドメイド。どんなふうにその上質さの「発見」をしているのか、来場者と出展者の二つの視点で取材しました。
日本ホビーショーの目玉のひとつともいえるワークショップ。各ブースでもさまざまなワークショップが行われていますが、まずは「ナナアクヤの立体花プラバンアクセづくり」(出展ブース:BEADS X-SENSE)にお邪魔しました。集中した作業の中、体験者のみなさんと講師のナナアクヤ先生から思わずもれる生の声を拾いました。
立体花プラバンアクセは、プラスチック板から立体的な花を作るクラフト。仕上がりはとても優美なのに、作り方はシンプルです。まずは好みの色のインクをしみこませた紙で、薄く引き伸ばしたプラスチック板をこすって色をつけます。オーブントースターに入れ熱すると縮むので、熱いうちに立体的に成形し、花弁や葉の形を整えます。
ただし、色は熱すると変わってしまうことがあるため、加熱後を予想しつつ色を決め、プラ板にのせる必要があります。ここがセンスの見せ所。
プラスチック板の縁に縁取りを入れる手法なども紹介され、初体験者にもアレンジの一部が楽しめるようになっています。
「こんなやり方で花を作るなんて初めて知りました」と話すのは、Yさん(20代/事務職)。洋裁・編み物・ビーズアクセサリーと幅広いハンドメイドを経験してきたという彼女は、プラスチック板での小物作りの経験はあるものの、この製作は目からウロコのよう。
「もう経験済みのジャンルでも、新しい視点や手法を教えてくれるのがワークショップの醍醐味。材料を買って自分で作ってみたいと思います」
一方、プラスチック板を利用した作品製作が初めてのJさん(60代/主婦)は、これまでは布バックなど実用品を中心に製作を行っていたとか。疑問点を何度も先生に聞いて丁寧に製作していました。
「今塗っている色が仕上がりでどんなものになるのか、全くわかりません。緊張半分、楽しみ半分で作っています」「すごく集中するので、普段使っていない脳の一部分が活性化している気がします」と話してくれました。
「次はもっとうまく作れる!」と声をあげたのは、Aさん(30代/エンジニア)とTさん(20代/専門職)。作品を完成させることで自信がつき、次はもっといい作品を作りたくなるのがワークショップの醍醐味。
ナナアクヤ先生は「ここだけで終わらず、ぜひ作品を作り続けて欲しい」と話します。「ワークショップで教える内容は自分一人でも実践できるものばかり。自分で考えながら作るとコツもつかみやすくなり、回数を重ねることでより上質な作品になっていきます。一方、私自身もワークショップで教えるたびに参加者さんからフィードバックをいただき、教える内容の質を上げています」
より上質なハンドメイド作品を目指して、講師も参加者も成長できるワークショップ。来年の日本ホビーショーでも多くのワークショップが開催される予定なので、是非チャレンジを!
続いてのページでは、伝統と新しさ、それぞれの観点でホビーショーをご紹介していきます。
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