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2019.1.30

ハンドメイド作家さんたちが作った新しいカタチの委託ショップ

こんにちは。布とハンドメイドが大好きな、ばくちゃんこと久場和代(くばかずよ)です。

作品づくりやイベントへの出店を重ねた私が、いま興味を持っているのは「委託販売」。
今回、私は、埼玉県蕨(わらび)市に2018年10月にオープンした“flagsflag(フラッグスフラッグ)”に行ってきました。
こちらのお店は、ハンドメイド作家さんが中心となって作ったハンドメイド作品の委託ショップです。

下の写真の青い屋根が“flagsflag”。

“flagsflag”を創設・運営するメンバーは、以下の方々です。

・店長の有賀さん(麻バッグなどのクリエーター)
・副店長の山田さん(布バッグ・小物・雑貨のクリエーター)
・経理の浅沼さん

そして、有賀さんと山田さんを含め13名の作家さんが委託販売に登録をしています(2019年1月12日現在)。

今回は、有賀さん(左)と山田さん(右)にお話を伺いました。

――お店を始めることになったきっかけを教えてください。

私たち3人は2018年の1~2月に開催された、“わらび創業講座”で出会った仲間です。
講座修了後、最初はハンドメイド作家5名でユニットを組んで、講座の実践編としてチャレンジショップを開き、各種イベントに参加していました。

活動を進める中で、蕨市の商工生活課の方から「蕨の空き店舗を使ってお店を開いてみないか?」という提案をいただきました。

いつかは自分たちのお店を持ちたいという夢は持っていましたが、急な話で初めは戸惑いが……。
ですが、「チャンスがあるならチャレンジしよう!」と開店を決めました。
同じく創業講座を受講していた経理・経営の知識のある浅沼さんを加えて、2018年10月にオープンすると決め、動き出すことにしました。

急な展開で資金の準備などもできていなかったので、市の制度を調べて受けられる助成金に申請するところからのスタート。
店舗は、プロに頼まなければいけない部分以外は、自分たちでセルフリフォームしました(下の画像は、副店長の山田さんが店舗の外装をおしゃれな板壁にリフォーム中の様子)。

クラウドファンディングにも挑戦しましたし、内装に必要な調度品のなかには、市内のリサイクルセンターでもらってきて手を加えて使っているものもあります。

資金が少ない分を、これまでにつながった人とのご縁や自分たちの知識でカバーすることで、予定通りの日程でオープンを迎えることができました。

――お店の特徴を教えてください。

出店する作家さんは“部員”と呼ばれ、“部費”として1か月7000円を支払います。
これにより1か月の委託販売および、店舗内のワークスペースを部員価格でレンタルができ、ワークショップを開催することや、作業場として利用することもできるシステムです。

“flagsflag”では、売上金額に対する販売手数料は一切発生しません。
その代わり、在庫管理も作家さん本人に責任をもって行ってもらいます。

また、部員は1か月最大4コマまで店番に入ることが可能で(午前/午後で3時間前後の単位で区切られています)、店番をすると、1コマあたり1500円がその部員に支払われます。

店番に4コマ入ると6000円が戻ってくることになるので、部費と差し引くと、実質1か月間1000円で委託販売が利用できることになります。

――販売手数料がかからなかったり、店番があったり、委託販売のお店としては珍しい形態だと思うのですが、なぜこのようなシステムになったのですか?

お店を持とうと決めた時に、自分たちだけのお店にするつもりはなく、
「多くの作家さんの作品が並ぶ、セレクトショップのようなお店にしたい」と思っていました。

私たちは、委託販売をしたことがなくイベント出店を中心に手売りをしてきたので、「作家としてどんなお店なら出店してみたいか?」という視点でこのシステムを考えました。

月7000円の部費は、作家活動を始めたばかりの方には高く感じるかもしれません。

しかし、たとえばイベントに出店する場合、主催者に1日3000円程度の出店料を支払います。
7000円という金額は、イベントに月2回出店するのにかかる費用と同等だと考え、その金額で1か月間通して販売ができるなら決して高くないということで設定しました。

販売手数料を取らないのは、上記のような理由から、“イベントに出店する感覚でお店に出店できること”を大切にしたいと思ったからです。

店番システムを取り入れた理由も、作家さんたちの金銭的な負担を軽くできると考えたから。
店頭に立てばお客様に自分の作品を勧めることもできるし、イベントに出店した時に得られるお客様の声などを同様に拾うことができ、作家活動にプラスになります。

作家さんそれぞれが、自分の活動のペースに合わせてこのお店を利用してほしいと思っています。

――どのようなジャンルの作家さんが出店していますか?

布小物やニット、アクセサリー、ハンドバッグ、ハーバリウム、洋服などさまざまです。

当初は、ハンドメイド作家として活動し始めたばかりの方が出店しやすいようにと考えていたので、そういった方が多く集まるかと予想していました。

オープンしてみると、意外にも、他のお店で委託販売をすでに始めている作家さんが登録されたり、自宅で教室をされている方がその教室で作れるもの(バッグなど)の物販の場として利用されたりもしています。

――これからどんなお店にしていきたいか、教えてください。

「ハンドメイド作家さんの活躍の場を増やしたい」という思いで開いたお店です。

作品を販売する場としてはもちろん、作家さん同士・作家さんとお客さんと横のつながりを
広げていく場にしていきたいです。

店名の“flagsflag”には、「一旗揚げよう!」の思いも込められています。
作家さんが一旗揚げるステップとなるお店になれるよう、盛り上げていきたいと思っています。

――有賀さん、山田さん、ありがとうございました。

◇   ◇   ◇

ハードルが高いイメージがあった“委託販売”。
チャレンジしてみたいけど、私のように不安な気持ちが先行して二の足を踏んでいるという作家さんたちにとって、flagsflagさんのシステムは背中を押される思いがするのではないでしょうか。
個々のペースで出店できる“委託販売のシステム”を考えてくれているところに、「さすが作家さんが中心となって開いたお店だな」と感じました。

(お話をうかがったお店)
flagsflag(フラッグスフラッグ)
住所:埼玉県蕨市中央4-22-21
電話番号:048-290-8727
営業時間:9:30~16:30
定休日:日曜・祝日。ほか不定休あり
Facebookページ  https://www.facebook.com/flagsflag/
Instagram https://www.instagram.com/flagsflag2018/

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